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社説風  [コネティカット生活]

最近購読し始めたHartford Courantという新聞によると、
ガンで亡くなる人のパーセンテージが過去最大に減少しているらしい。
ここ数年で、2倍以上減少しているらしい。
これは、現代病となったガンへ立ち向かうべく、
かなり嬉しいニュースである。

医学が発展して、今まで治せなかったものが治せるようになっている反面、
美容整形などの技術も進歩している。
しかし親からもらった体、余計な手術をしてもいいことは無い。

レーシックという目の視力を治す手術がアメリカでは流行しているそうだが、
これがかなり危険らしい。

レーザーで目の手術をするらしいが、完全に失敗する確率が2~3%。
そして手術が成功しても、28%以上もの人が、ドライアイに悩まされ、
16%以上の人が目が見えにくくなってきていて、
さらに18%の人が夜に運転するのが困難な程、視力が低下しているそうである。
このデータもHartford Courantより引用したものである。

私の台湾人の友人が、ひどい近眼に悩んでおり、レーシックを台湾で受けたそうだ。
術後、5年後には視力が元に戻ります(悪化します)、と言われたそうだ。
ということは、彼女は5年おきに、同じ手術を受けなくてはならないのか。
かなり膨大な金額の手術費用を支払って、なおかつ継続的に
受けなくてはならないなんて、皮肉なものである。

医学が発展している国に住んでいると、完全に麻痺してしまうが、
病院が無い街なんて世界中にいくらでもある。
映画 『バベル』 にそのシーンを観た。
その中で、アメリカ人観光客の夫妻がモロッコをバスで旅している途中に、
モロッコ人放牧民の子供によって、銃撃されてしまうシーンがある。
近くの病院まで車で5時間、クリニックが1時間ほど離れた場所にある、
という設定で、とりあえず緊急でクリニックへ向かう。
しかしそこには医者はおらず、駆けつけた医者は、針と糸を持ってくる。
もちろん消毒もされぬ、使いまわしの針である。
それをライターで炙って消毒して、傷の手当をするのだ。
「救急車を呼べ」としきりに騒ぐ主人。傷を痛がる妻。
電話もろくにつながらない場所で、大使館に電話をし、救急車を依頼し、
途方に暮れるのである。
結局救急車なんて、存在しないのである。
緊急医学が発展しているアメリカ人ならではの行動である。
やっと状況を把握して、やむを得ず、その治療を受け入れる夫妻。

医学だけでなく、すべての価値観においても
共通のことが言えるのではないだろうか。

1年2ヶ月ほど、アメリカに滞在しているが、様々な出来事を
日本人的価値観で捉えて、アメリカを批判したがる自分がいる。

日本は流行の移り変わりが激しいから、
店も建物も、流行の音楽も、映画もCMも、そして商品も、商業施設も
どんどんリニューアルされていく。

でもここでは、ビートルズの音楽がラジオから連日流れ、
TVCMは1年前から全然変わらず、TVだって同じのを何度も再放送しているし、
商品だって20年ぶりにリニューアルされたネコ砂のCMを
得意げに流していたりする。
建物のレンガ造りで古く、おそらく風景は数十年前と全く変わっていないはずである。

日本の、そして東京で生まれ育った私には、受け入れられない価値観であったが、
自分の感覚が日本人的に麻痺していたのではないかと、映画を観て気がついてしまった。

何十年か後に、この地を訪れた時、昔と全く変わらぬ風景に出会える、
という利点を忘れていなかったであろうか?

などなど、価値観について考えつつも、やはり私は日本人。
受け入れられない価値観は、ストレスにつながっているのである。


もう少しアメリカ文化、アメリカ社会を客観的に見れるようになったとき、
心にもさらに余裕ができ、人間も一廻り大きくなるのではないだろうか。


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コメント 3

ぐり

レーシック、僕も受けようかと考えてたけど
やーめたっ!

神戸のクワイアではちょっと流行ってるようで、心配だなぁ。。
by ぐり (2007-10-17 23:14) 

n

私もレーシックを考えているのだけど、やっぱり再手術が必要になることが多いらしい・・・というのを聞いて迷っていたんだよね。あとは老眼が進むとかさ。コンタクトもわずらわしいのだけどまぁしょうがないかな~って思うようになってきた。

アメリカ生活でのストレス、私も最初の一年は何かというと日本と比べてばかりで『日本だったらこうなのに!』とか『日本人にはこんなこと考えられない』『アメリカ人ってなんでこんななの???』と不満ばかりで暮らしていたのだけど、アメリカに来るのを決めたのは自分だし、これから多分一生ここで暮らしていくんだから日本と比べてもしょうがない、と思うようになったらだいぶ現状を受けいられるようになったかな~。でもやっぱり文句言っちゃうんだけどね(笑)。
by n (2007-10-17 23:41) 

のんち

>ぐりちゃん
まあこれも価値観の違いですから。
何度手術しても、コンタクトやメガネから開放されたいと思えば
有効な手術かも??

>nちゃん
私は腹をくくって、コンタクト生活を一生するつもりよん。

nちゃんはアメリカ生活の大・大先輩だよね~。3年以上いるのかな?
やっぱり同じように思っていたんだね、過去には。
私はアメリカを不満に思うたびに、日本が恋しくなるよ。
がんばって生活してるnちゃんを尊敬します。
by のんち (2007-10-18 09:10) 

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