チップの独り言 [犬との生活]
この家に来て1年2ヶ月が過ぎた。
思い起こせばこの家にきたばかりの頃は、とても美味しいフカフカの超高級なご飯を食べていた。
ところが、ビアちゃんと呼ばれる大食漢の白い犬がやってきて以来、
私のご飯はカリカリフードに替えられた。
日々のご飯に不満がある私は、ご飯を10粒だけ残す技を身につけた。また時にはご飯をお皿ごと綺麗に包む技も取得した。これをやるとカリカリフードを食べず、かつ、大食漢の白い犬が後で食べてくれると知った。
なぜ私がカリカリフードを好きではないのか?
それはもっと美味しいものを食べている人がいる事に気がついたしまったからだ。
食卓の横で黙って座っていると、必ず何かをもらえる!と知ってしまったのだ。
そう、ここで座っているだけでいい。私はカリカリフードより数百万倍美味しいものを貰えるのだ。
そして、鼻を近づければさらにいい香りを楽しめる。
私はカリカリフードが嫌いだ。
私はチップ。今日もおしゃぶりをしながら、美味しいご飯を待っている。